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2023/12/02(土)紀州のマルちゃんインタビュー(2023年12月10日「RESISTANCE-14」)

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2023年12月10日「Z RACING PARTS presents RESISTANCE-14」に出場する紀州のマルちゃんの特集インタビューを公開させていただきます。

――今回、メインで王座決定戦のマルちゃん選手、今年4月30日には、INNOVATIONスーパーフェザー級タイトルマッチで新田宗一朗チャンプに挑み、接戦の上、判定1-0で惜敗、大変な悔しさをリング上で滲ませていました。

あの時、すべてを懸けていたので、判定が出た瞬間「えっ!?」となって何も考えられませんでした。人生最大に引き摺って、何を見ても食べてもしても全然楽しめない。試合数日後に吉岡支部長(武勇会高松支部の吉岡雅史支部長)と食事をしながら諭されて理屈上の気持ちは整理できたんですけど、感情はどうしょもありませんでした。

――それが払拭できたのは?

今でもモヤモヤは残っていますよ。新田戦の後、2試合して勝ちはしましたが、それに向けての練習で一時忘れることができても、どこか引っかかってるみたいな。

――判定ドローながらジャッジ1名はマルちゃんを支持していたわけで、これ以上ないギリギリで勝利を逃したわけですから。

今思うと、勝ちに徹した試合ではありながら普通に見て良い試合ではなかったと反省しています。最後の最後にスタミナがついてきてない。5ラウンドフルで動き続けられないと会場は湧かせられないなと。試合中、新田選手の心が折れる音は聞こえたんですよ。けど、詰め切れなかった。

――そこで今回、東京都福生市の名門・橋本道場に四国・高松から長期合宿を敢行されているわけですね。

はい、10月頭から出稽古で独り合宿をさせていただいております。

――以前から橋本道場とは親交が?

前回の試合(9月17日)の計量の時に橋本師範(橋本敏彦会長)に「よかったらうちに練習に来なよ」と声をかけていただきまして、吉岡支部長や藤岡会長(武勇会の藤岡勇人会長)に送り出していただきました。

――もう2か月近くの合宿になるのでかなりの長期です。

10月いっぱいくらいの予定でいたのですが、もっともっと鍛え学ぶことがあると痛感しまして。

――下世話な話、家庭をお持ちだったり、生業が忙しいとなかなかそんなことはできません。

自分、独身で子供もいませんし、キックボクシング一本に全振りしているので、仕事もバイトでこういう時の為の貯金をここぞと開放しています。それに、住居や移動手段など橋本道場の皆さんにとってもよくしていただいてここまでいさせていただいています。だからこそ、絶対にチャンピオンベルトを巻きます!

――90年代からキック界のトップを走り続けている名門の練習はいかがですか?

トップにある選手たちがどんなレベルの練習をしてるのか知りたくて、それを吸収したくて来ましたが、よーく分かりました。一言「強い選手はやってる」です。

――それだけハードだったり高度な練習を?

内容は徒然ながら“志し”というか“心持ち”、気持ちが全然違います。

――12月10日は、凄まじくパワーアップしたマルちゃん選手が見られそうです。具体的に何がどう?

お客さんには、是非「マルちゃん、どこが変わっただろう?」と疑問をお持ちになって観戦していただきたいです。全然違いますから!

――そうやって新生し挑む王座決定戦、従来のスーパーフェザー級(58.97kg)からライト級(61.23kg)に上げての井上竜太戦です。

9月17日は、同じリングで戦いました(INNOVATONライト級王座決定トーナメント準決勝戦、上野コウキ戦、判定0-1→延長判定2-1で井上が勝利)が、凄い根性でした。延長ラウンドであれだけ前に出続けてイケる姿はカッコ良かったです。最後まで動き続けられるアレが僕に足りないものなんだなって教えられた思いです。

――そして、どんな勝ち方を?

スタミナ、技術、パワーが上がっているのは当たり前、それ以前の考え方、キックとの向き合い方、見せ方などマインドの違い、そこを醸し出して自分らしく勝ちます。

――“らしさ”と言われますと、マルちゃん選手は、毎試合、勝利至上主義とは違ったファンサービスやパフォーマンスで観客を楽しませる一面も強いプロの面が目立ちます。

「盛り上げ×強さ」のバランスは悩みどころです。楽なのは、どちらかに偏ること。勝ちを捨ててただただ打ち合うのは簡単。勝つことのみに徹底するのもまたしかり。ただ、それを偏らせたからって必ず盛り上がるわけでも勝てるわけでもありませんが(笑)。

――バランスをとることの難しさ、「偏ることが楽」は金言です。

仕事と練習だってそうです。家庭と練習だっていい。しなくてはならないことの両方をちゃんとやり切るって大変なことです。

――そんなマルちゃんは、INNOVATIONへの団体愛が一塩強い印象ですが、晴れてINNOVATION王者となった先は見えていますか?

まず一番盛り上がるアイツってのはいます。けど、ベルトを巻くまで言いません。

――肘打ちありの純キックボクシングルール育ちのマルちゃんですが、現在、RISEやK-1など肘なしルールが全盛でもあります。

出たいですねー。RISEスーパーフェザー級(60kg)はベストウェイトですし。それと大目標として目指すところはONEです。

――ライト級でも長身(180cm)のマルちゃんですが、階級アップの影響は?

減量も楽ですし、フィジカルが上がります。パワーありますよ。

――リング上の大暴れが楽しみです。

毎日強くなることに必死。そんな自分を全力で爆発させます。必ず最後まで見てください!

――“最後まで”を強調されるあたり何か含みがります。

はい(笑)。そして、試合を見終わったら、皆さん、SNSとかで良いこと悪いこと何でも書いてやってくだい。その反応を楽しみにしています!

紀州のマルちゃんのプロフィール

リングネーム:紀州のマルちゃん
フリガナ:キシュウノマルチャン
所属:武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1998年4月15日(25歳)
出身地:和歌山県紀の川市
身長:180cm
戦型:サウスポー
戦績:20戦13勝(6KO)5敗2分 
ステータス:INNOVATIONスーパーフェザー級2位