——前田大尊選手のお名前を聞くと90年代にヒットした週間少年ジャンプ連載の漫画「ろくでなしBLUES」の主人公、前田太尊を連想してしまいます。
はい、実際、そこから命名されたそうです(笑)。
——現在17歳の前田選手が生まれる前の作品ですが読んだことは?
うちに単行本があったのでよく読んでいました。メインの主人公が強くてカッコよくて、そこから自分の名前がきているのは悪い気はしませんでした。
——ヤンキー漫画でもありボクシングなど格闘技要素も強い作品ですが、ご家族がその系統だとか?
父親とお兄ちゃんが先にキックボクシングをしていて試合経験もあったみたいです。それで「僕もやりたい」とお願いして小学校に上がるタイミングで自宅に近いマイウェイジムに通いました。
——小1とはかなり早くからです。
試合も入門からすぐに小1で出て、それは1ラウンドKO負けです(笑)。
——小さな頃から本格的に鍛えていた?
いえ、小5までは遊び半分でした。
——小5からは姿勢が変わる?
山梨の地元大会から東京の大会に出るようになって、レベルの違いを見せつけられてスイッチが入ったというか熱が上がりました。元来、負けず嫌いだったからかも。
——アマでエリートだったとはお聞きしておりますがプロ志望は?
そんな意識はあまりなくて、ただ、ジムの先輩の葵拳士郎くん(※1)とかチャンピオンの先輩に憧れがあって、それが段々やっているうちに大きくなってプロになりたいと思うようになったかもです。
——現在4勝1敗と好戦績ですが、今回の王座決定トーナメント、強豪選手のエントリーもあり優勝は簡単ではなさそうです。
ですが、ここはしっかりとベルトを巻いて、そこからステップアップしてRIZINとか大舞台に出てみたいです。
——RIZINですか。
というより、テレビに出て有名になりたいです。
——その為の一歩、目前の都築憲一郎戦、戦況はいかがでしょう?
勝つのは当たり前。それ以上に観客が「わーっ!」となる魅せる試合で倒します。
——優勝候補の元山祐希選手と引き分けている都築選手は、20戦ものキャリアを持つベテラン強豪です。
20戦していてもKO勝ちは1つだけですよね。恐さはありません。
——どのような試合内容で勝ちますか?
今、僕は攻守にわたって何でも対応できるオールラウンダーです。首相撲やヒジ打ちはない方が得意ですが、そこに弱点もありません。ですが、まだ必殺技というか決定的に倒し切ることに特化した武器が定まっていないので、そういった技を練っているところです。
——そんな必殺技は次の試合までに練り上がりそうですか?
努力するのは当たり前。僕はそこに頭を使うことに気を付けています。ガムシャラに頑張れば道が拓けるものではありません。どのトレーニングでもその意味や効果を細かく分析して自分が強くなることに意識を集中させています。そして、その積み重ねが自分を確実に押し上げている実感があります。
——17歳の高校生にしてその意識の高さは期待大です。
自分が有名になる為の手段が僕の場合はキックボクシングなわけで、だからこそキックで成り上がって目立たないと。このベルト、僕がいただきます!
※1 葵拳士郎くん マイウェイジム所属、元WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者、元INNOVATION日本スーパーフェザー級王者。2022年10月30日の試合を最後に引退。ちなみに年上ではあるが、前田選手の
先輩への継承は“くん”である。
前田大尊のプロフィール
リングネーム:前田 大尊
フリガナ:マエダ・タイソン
所属:マイウェイジム/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:2005年8月6日(17歳)
出身地:山梨県甲府市
身長:172cm
戦型:オーソドックス
戦績:5戦4勝(1KO)1敗
ステータス:INNOVATIONスーパーバンタム級9位